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Research

HAPS /LAPS

成層圏セルラー通信基盤の研究

HAPS

複数のHAPSにより、面的に連続したサービスエリアを構築します。例えば、HAPSのセル半径を50~100kmとすると、50程度の機体で日本全国をカバーできます。一方、HAPS単体では機体搭載アンテナのビーム制御により、複数のセルを構成します。図では7セル構成の例を示していますが、将来的には50~100セルの構成が期待されています。地上システムと同様に、各セルは同一周波数を用いる1セル繰返しが基本であり、HAPS単体のセル数を増大することでHAPSシステムの通信容量が向上できます。

そこで、本通信基盤を“HAPSセルラーシステム”と命名しました。

HAPSセルラーシステムと地上携帯システム間でシームレスな通信を実現するためには、高度な連携制御が必要となります。HAPSセルラーシステムと地上携帯通信システムのサービスエリアはオーバラップしています。例えば、HAPSシステムと地上携帯通信システムが同一周波数を用いる場合は、同一周波数干渉により両システムの通信容量は共に低下します。そこで、HAPSセルラーシステムと地携帯通信システム間の干渉をネットワーク連携制御プラットホーム(*)を介して相互にキャンセルする技術の研究を行っています。これが実現できれば、HAPセルラーシステムと地上携帯通信システムは完全に周波数共用が図れ、周波数の有効利用の向上が期待できます。

(*)ネットワーク連携制御プラットホームはHAPSシステムと地上システム間の協調制御を行う通信基盤。

 

LAPS

ドローンなど上空移動通信端末の普及により、上空での無線通信の需要は今後更に増加していくことが予想されます。当研究室では、5Gのビームフォーミング技術を垂直方向に適用することで、一つの基地局で同一周波数を用いながら地上と上空の通信を同時に構築することを提案しています。

上空の通信環境は地上と比べ遮蔽物が少ないことから比較的電波が届きやすい環境となっています。そのため、上空端末からの所望信号は基地局へ届きやすいものの、他の端末へ与える影響も地上端末より大きくなってしまいます。特に上空端末が地上端末へと与える干渉は無視できないほど大きく、これらの干渉を抑制する仕組みが必要となります。当研究室では干渉を抑える仕組みを提案し、通信品質が改善することを確認しています。