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今月のつぶやき(学生)

  • 2022-01-01
  • diary

社会人博士の最後のつぶやき

社会人博士の星野です。
私は企業の研究所に勤務しながら、社会人博士として東工大で研究を行っております。
そこで、これまで企業での研究、そして大学での研究の両方を行ってきた者としての立場から、企業と大学の研究の大まかな違いについて私見を述べたいと思います。

まず、第一に研究の目的が異なると思います。企業の研究は一般にその成果が最終的に企業の利益につながるものでなければなりません。したがって、研究が直接製品やサービスとして利用できること、もしくは最終的に商用化することを目指して研究を進めることが一般に求められると思います。ただし、基礎研究所があるような大企業の場合は、研究開発と製品・サービスが直接結びつかないこともあるかと思います。

一方、大学の研究は論文発表を行うことが目的と言えると思います。特許を取得してベンチャー企業を設立する等といったことも一つの着地点ですが、主に論文の発表件数が学生の卒業要件や教員の評価基準となることから論文として成果を出すことが目的となると思います。そのため、企業のように商用に向けて社会実装し、収益化できるかといった産業上の観点よりも、技術的な新規性・発展性や新たな知見が得られるか等といった論文の学術的な価値の高さがより重要になると考えられます。

このように研究の目的が異なるため、研究テーマの設定の仕方についても差があると思います。企業では最終的には商用化が目的となるため、目指すべき製品やサービスの実現に向けて、一般に基礎・応用検討、試作装置開発・評価、実証試験、準商用化、商用化といった一連の流れがあります。この流れの中の一要素・一手段として研究が位置付けられると思います。したがって、最初の段階から検討すべきテーマや、ユースケース、システムの条件等がある程度決まっている場合が多いように思います。また、学会発表は企業の技術アピールという側面はありますが企業に直接利益をもたらすものではないのでなかなか社内で評価されにくいことがあります。

一方、大学の研究は必ずしも直接サービスに繋がらなくても、ある程度自由な発想で未来に向けた技術やユースケースを想像して、研究テーマを自由に設定できると思います。技術的な新規性が重要であるため、必ずしも試作装置開発、実証を行う必要はなく、技術の実現に向けて解決すべき課題とその対策を考案することで研究テーマが設定できるものと思います。

以上、あくまで私の見解であり業種によっても異なると思いますが、研究職を目指す学生の皆様の参考になれば幸いです。なお、研究の基本的な進め方については企業であろうと大学であろうと大きく変わらないと思うので、学生時代に培ったノウハウやスキルはきっと企業に入っても活かせるはずです!