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今月のつぶやき(教員) 「FifteenとFiftyについて」

  • 2022-09-01
  • diary

FifteenとFiftyについて

教員の表です。最近小さな息子が話す機会が増えてきました。まだ拙い日本語で一生懸命自分の意図を伝えようとするので、私も一生懸命聞くよう努めています。息子は日本語とは別に自分独自の言葉を使うので、ときどき何を言っているかわからない状態になります。独自の言葉はどうやら赤ちゃんの頃から聞いている英語の発音をベースにしているようです。独自の言葉の単語自体には意味がなく、ただ適当な造語なのですが、その造語をやたら良い発音で話すので困ります。本人は面白がっているので良いのですが(日本語を話すときには普通の日本語の発音に戻ります)。

息子に言葉を教えていて、「日本語は難しいな」と思います。漢字を含めて覚える文字数が多いため、大人が読む本を読めるようになる能力を得るのは小学生以降なのではないでしょうか?英語を代表とする文字数が少ない言語は、早ければ3歳くらいでも大人が読む本も読めるのではないでしょうか?使用する言語の文字数の違いが、思考や想像力にどのように影響しているのか大変興味深いところです。

言語について考えるとき、自分の経験から2つのエピソードを思い出します。1つ目はインスブルックの宿のご主人との会話です。その方は日本語に大変興味をお持ちで漢字の成り立ちについて聞かれました。漢字はそれ自体に意味があるということを私の拙い英語力で説明するのに四苦八苦しましたが、例えば「木」という文字は木の形から文字に発展したため、この一文字だけで木に関するいろんな意味を含んでいることを図解しながら説明すると目を見張って大喜びされておりました。文字自体に意味を含んでいるという感覚が大変新鮮だったとのことでした。この後、「林」は木がいっぱいで「森」は木がもっといっぱいなのだということを図解したのは言うまでもありません。

2つ目は、子供のころカナダで体験したFifteenとFiftyについてです。私は6歳の時に親の仕事の関係でカナダに行きました。カナダに行く前に英語を少し勉強していったのですが、13~19は語尾に“teen”がついて、30、40・・・90は語尾に“ty”がつくのが不思議でした。teenとtyは音で聞くと似ているので区別がしにくいと思ったのです。親に質問すると、「カナダの人にはきっと簡単に区別できるんだよ」とのことでした。腑に落ちない気持ちのまま、ある日算数の授業で、先生が15といったある計算問題の答えをカナダ人の友達がうまく聞き取れなかったようで「Fifty? Fifteen??」と聞き返していたのを見て、「やっぱりカナダ人でもややこしいんじゃん」と心の中で思いました。でもそれ以上に「12+3は絶対に50にはならないので聞き間違える以前の問題だよね」とも思っていました。

言葉って不思議ですね(teenとtyは今からでもどちらかを変えたほうが良いのでは?と思っているのはここだけの秘密です)。